こんにちは、年間300冊以上の本を読むワンホ(@wanho_book)です。
僕はふだんビジネス書ばかり読み漁っているのですが、今回はミステリー小説の紹介です。
書籍のタイトルは『再愛なる聖槍(せいそう)』。
実は久しくミステリーを読んでいなかった僕ですが、これは本当に面白かった。。。
本の帯を見たときからずっと気になっていた”観覧車ジャック”のパワーワード。
読み始めてから読了まで、あっという間でした。
本記事では、書籍のあらすじはもとより、本書の魅力からワンホの見どころまでじっくり紹介していきます。
- 謎解きを楽しみつつもスリリングな読書体験をしたい
- 小難しくない長編小説が読みたい
- 華麗な伏線回収を楽しめる上質なミステリーを読みたい
ワンホ
年間300冊以上の本を読む<本の要約家>
・読書で稼ぐ副業会社員
・Twitterフォロワー数7,700名
・直近1年の要約総数は280冊以上
『再愛なる聖槍』とは
『再愛なる聖槍』は、2022年12月7日に幻冬舎より出版されたミステリー小説。
由野寿和(ゆうや・としお)氏のデビュー作です。
読者の目を最後まで釘付けにするストーリー展開が、SNSでも話題となりました。
まずは本書の概要を紹介します。
書籍情報
書籍の概要は次の通り。
テーマパークでの観覧車ジャックを題材にしたミステリー小説です。
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | 再愛なる聖槍 |
表紙 | |
著者 | 由野寿和(ゆうや・としお) |
出版社 | 幻冬舎 |
発売日 | 2022/12/7 |
本の長さ | 342ページ |
342ページの大作ではありますが、話のテンポがよく非常に読みやすい一冊です。
続きが気になるあまり、最後まで一気に読んでしまいました…!
あらすじ
今宵はクリスマスイヴ。
主人公の元刑事・仲山秀夫は9歳の娘、凛とテーマパークにいた。
ここドリームランドは老舗の遊園地だが、最近話題のアトラクションがある。
それが日本最大級の展望型巨大観覧車「ドリームアイ」だ。
仲山の目的はもちろん、愛娘と一緒にこの観覧車に乗ること。
なにせ妻との離婚以来、5年ぶりに凛に会えたのである。
久しぶりの再会に少しぎこちない父娘だが、なんとか予定通りドリームアイに乗ることができた。
しかし、微笑ましい時間は一瞬にして消えさる。
ふたりが乗って間もなく観覧車は急停止。
となりのゴンドラが地に落ち、炎上する。
まもなく観覧車内に犯人「小人」からの声明。
乗客たちはゴンドラ内に閉じ込められ人質となってしまう。
一方、駆けつけた警察の指揮をとるのは仲山と面識のある刑事・貝崎。
仲山とは警察学校時代のライバルであり、5年前に起こった未解決事件に関して互いの秘密を握り合う因縁の相手である。
無慈悲にも迫りくるタイムリミット。
からみ合う2つの事件とそれぞれの思惑。
「小人」とは誰なのか?貝崎との因縁とは?父娘の運命は…?
著者情報
作者の由野寿和(ゆうや・としお)氏は今作で作家デビュー。
『再愛なる聖槍』では、新人とは思えない厚みのある表現の数々を披露しました。
登場人物のキャラ設定から予想を裏切るストーリー展開まで、読者の心をグッとつかんで離しません。
心情表現や情景描写も豊富かつ絶妙。
スリリングな展開を味わいつつ、自分の考察も交えながら楽しんで読み進めることができます。
Amazonの口コミではドラマ化や映画化を望む読者も多く、今後が楽しみな作品です。
「この人物は俳優なら○○」とイメージしながら読むのも良いですね!
本書のレビュー記事として、Maisond(メゾンド)さんのnoteがおすすめです。
こちらも併せてご覧ください。
『再愛なる聖槍』のおもしろさ
実際に本書を読んでみて「ここがおもしろい!」と思った点を挙げてみました。
新情報が出るたびに深まる謎
物語を読み進めながら「犯人は誰なのか」「動機は何なのか」と考えるのですが、これがわかりそうでわからない!
なぜなら、新しい情報が出てくるたびに新たな謎が増えていくからです。
そして、物語の序盤からなんとなくある違和感……
正体がわからないまま、この違和感だけがジワジワと膨らんでいく感覚です。
正直、どの登場人物も犯人っぽい。笑
ミステリの醍醐味は、やはり謎解き要素と予想外の展開です。
このバランスがとにかく上手で、読めば読むほど物語にどんどん引き込まれていきます。
登場人物の魅力的なキャラ設定
登場人物はけっして多くはないのですが、ひとりひとりのキャラクターが際立っている印象です。
それぞれの性格が魅力的というよりも、とても人間味のある登場人物が多く、親近感を持って物語を読み進められます。
要するに、登場人物の感情や想いに共感しながら読めてしまう。
だからこそ読んでいて読者は感情を揺さぶられるのだな、と。
主人公と同じ幼い娘がいる僕としては、涙なしには読めませんでした。。。
また特徴のある登場人物が多く、顔や声をイメージしながら読み進められます。
映像が自然と脳内再生されるように読めるのです。
これも著者のもつ語彙の豊富さ、心理描写の表現力、人物や状況の描写力がなせる業なのだと思います。
終盤にかけてのスピード感と伏線回収の応酬
物語の終盤にかけて、事件の真相が暴かれていきます。
真犯人は誰なのか。
なぜ観覧車がジャックされるのか。
仲山と貝崎の因縁とは。
過去と現在、2つの事件が徐々につながっていきます。
このときの疾走感がまさに圧倒的…!
パズルのピースが次々とはめられていく感覚は、もうお見事としか言いようがありません。
そして、ところどころに散りばめられた数々の伏線回収。
それぞれの思惑が複雑に絡みあうなか、物語はひとつの終着点へと向かいます。
これこそがミステリの醍醐味。
結末が気になり、中盤以降はいっき読みしてしまいました。
本書は342ページにわたる長編小説ですが、間延びすることなく熱気を保ったままエピローグまで駆け抜けます。
タイトル『再愛なる聖槍』の意味が最後に明らかになるのですが、これはもう鳥肌モノですよ。
結論│『再愛なる聖槍』はすばらしいミステリー本
『再愛なる聖槍』はテーマパークでの”観覧車ジャック”を題材にした警察ミステリです。
見どころポイントは以下の通り。
- 新情報が出るたびに深まる謎
- 登場人物の魅力的なキャラ設定
- 終盤にかけてのスピード感と伏線回収の応酬
長編ながらもテンポよく進む物語は、いい意味で読者の期待を裏切り、思わぬ展開へとつながっていきます。
ほかにも、簡潔かつ読み応えのあるストーリー、絶妙な情景描写、ドキドキハラハラする話の展開など……
すばらしい点は挙げたらきりがないのですが、結論、非常にすばらしいミステリー小説だと思います。
少なくとも僕がここ数年で読んだ小説の中で確実にナンバーワンでした!
書評を読んでみて気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。
家族や知人にも自信をもっておすすめしたい書籍です。